「自動搬送システム」特許出願增加率、韓國が世界1位
上位10社中、3位にセメス、6位にサムスン電子など、韓国企業4社が布陣
韓国特許庁が半導体自動移送システム*1技術分野において最近10年(2012年~2021年)間、主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に出願された全世界特許を分析した結果、2012年に117件であった出願件数が10年間で、年平均10.2%増加し、2021年には281件に達していることが分かった。半導体自動搬送システムの市場規模*2は2022年には24.7億ドルから毎年6.1%ずつ成長し、2028年には35.2億ドルに達すると予測される。*1)半導体自動搬送システム(AMHS、Automated Material Handling System)とは、半導体製造ラインで回路板を積載した回路板収納容器(FOUP、Front Opening Unified Pod)を自動搬送するためのシステム全体を意味し、ほこりや振動を最小限に減らしながら、できるだけ迅速に回路板収納容器を移送し、ボトルネックとならないよう適時に回路板が工程装置に移送されるよう制御することがその核心技術となる。*2) Industry Research, “AMHS for Semiconductor Market Insights and Overview [2023-2029]”, 2023.8.
<国籍別特許出願動向>
出願人の国籍別に出願件数の増加率を見ると、韓国は年平均32.1%と世界で最も多く、台湾が年平均17.3%で2位を占め、次に日本(6.2%)、中国(6.2%)の順であった。同期間の出願件数を見ると、1位の日本が1,238件(67.7%)で最も多くの出願を行っており、2位の韓国398件(21.8%)、3位の台湾88件(4.8%)、4位の中国46件( 2.5%)、5位の米国44件(2.4%)の順に続いている。
<出願人国籍別特許出願動向(’12~’21)>
<技術分野別特許出願>
技術分野別では半導体自動搬送システムの中で天井移送装置*3(1,103件、60.3%)とストッカー*4(587件、32.1%)に対する出願が、全体出願の92.4%でほぼ大部分を占めていることが分かった。年平均増加率は天井移送装置は21.1%であるのに対し、ストッカーは-9.3%で、天井移送装置関連出願が急増していることが分かった。*3) 天井移送装置(OHT、Overhead Hoist Transport):半導体工場の天井に付された軌道に沿って走行する台車が自動的に回路板収納容器を持ち上げて目的地に運ぶ装置。*4) ストッカー(Stocker):回路基板の収納容器がプロセス装置に入る前後に一時的に保管される保管装置
<出願人の類型>
出願人類型を見ると、全体的に企業による出願が98.7%と高く、個人が1.0%、大学が0.2%、公共機関が0.1%を占める。大規模投資が必要な産業特性上、企業における技術開発が進められている模様である。