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分離出願の紹介

1. 意義及び趣旨  分離出願とは、拒絶査定不服審判の請求が棄却された特許出願(以下、「原出願」という)について、審査段階での拒絶査定に含まれない請求項を分離して新たな特許出願とするもので、分離出願については分割出願と同様、出願日の遡及効が認められる(特許法第52条の2)。従来、一部の請求項に対ついてのみ拒絶査定を受けた場合、拒絶査定不服審判の請求期間内に特許登録が可能な残りの請求項を分割出願し、登録を受けることができた。しかし、当該期間が経過し、拒絶査定不服審判の段階では、一つの請求項にでも拒絶理由が認められる場合、審判請求が棄却されるため、特許可能な請求項について登録を受ける方法がなかった。こうした場合にでも、特許が可能な発明に対する特許獲得の機会を拡大させるため、拒絶査定不服審判請求の棄却後でも、拒絶査定がなされなかった請求項に対して別途の出願を行うことができる分離出願制度が導入された。分離出願制度は、2022年4月20日以後、拒絶査定不服審判が請求されたものから適用されている。 2. 分離出願の要件 主体的要件:分離出願ができる者は、特許拒絶査定時の原出願の出願人である(特許法第52条の2第1項) 時期的要件:分離出願ができるときは、原出願に対する拒絶査定不服審判請求に対する棄却審決謄本を送達された日から30日(特許法院提訴期間)(審判長が付加期間を定めた場合にはその期間)以内である(特許法第52条の2第1項、第186条第3項ないし第5項) 客体的要件:分離出願できる発明は、原出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内である(新規事項追加禁止)(特許法第52条の2第1項)   分離出願の請求の範囲には、次に該当する請求項のみを記載することができる(特許法第52条の2第1項第1号から第4号)。 (下の①~④) ただし、分離出願には、以下のような制限がある。 請求の範囲提出猶予制度、及び外国語出願制度を活用できない(特許法第52条の2第3項) 新たな分離出願、分割出願又は変更出願の基礎になれない(特許法第52条の2第4項) 分離出願について再審査請求ができない(特許法第67条の2第1項第3号)   ◎ 専門家からのコメント 分離出願制度により拒絶査定不服審判で棄却審決されても、登録可能な請求項を分離出願して登録を受けることができるようになった。 これにより、出願人は、全請求項のうち、一部の請求項で出願発明が拒絶査定を受けた場合でも、拒絶査定不服審判を請求しつつ残りの請求項に対して分割出願をすることができ、拒絶査定不服審判が棄却審決された場合、その時に分離出願も行うことができる。 つまり、出願人は状況に応じて二つの方法のいずれかを適宜に選択すればよい。しかし、分割出願は、更なる分離出願や分割出願、再審査請求に対する制限がない一方、分離出願については、これらに対する制限が伴うため、注意が必要である。

2024-01-09
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「自動搬送システム」特許出願增加率、韓國が世界1位

上位10社中、3位にセメス、6位にサムスン電子など、韓国企業4社が布陣  韓国特許庁が半導体自動移送システム*1技術分野において最近10年(2012年~2021年)間、主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に出願された全世界特許を分析した結果、2012年に117件であった出願件数が10年間で、年平均10.2%増加し、2021年には281件に達していることが分かった。半導体自動搬送システムの市場規模*2は2022年には24.7億ドルから毎年6.1%ずつ成長し、2028年には35.2億ドルに達すると予測される。*1)半導体自動搬送システム(AMHS、Automated Material Handling System)とは、半導体製造ラインで回路板を積載した回路板収納容器(FOUP、Front Opening Unified Pod)を自動搬送するためのシステム全体を意味し、ほこりや振動を最小限に減らしながら、できるだけ迅速に回路板収納容器を移送し、ボトルネックとならないよう適時に回路板が工程装置に移送されるよう制御することがその核心技術となる。*2) Industry Research, “AMHS for Semiconductor Market Insights and Overview [2023-2029]”, 2023.8. <国籍別特許出願動向>  出願人の国籍別に出願件数の増加率を見ると、韓国は年平均32.1%と世界で最も多く、台湾が年平均17.3%で2位を占め、次に日本(6.2%)、中国(6.2%)の順であった。同期間の出願件数を見ると、1位の日本が1,238件(67.7%)で最も多くの出願を行っており、2位の韓国398件(21.8%)、3位の台湾88件(4.8%)、4位の中国46件( 2.5%)、5位の米国44件(2.4%)の順に続いている。 <出願人国籍別特許出願動向(’12~’21)> <技術分野別特許出願> 技術分野別では半導体自動搬送システムの中で天井移送装置*3(1,103件、60.3%)とストッカー*4(587件、32.1%)に対する出願が、全体出願の92.4%でほぼ大部分を占めていることが分かった。年平均増加率は天井移送装置は21.1%であるのに対し、ストッカーは-9.3%で、天井移送装置関連出願が急増していることが分かった。*3) 天井移送装置(OHT、Overhead Hoist Transport):半導体工場の天井に付された軌道に沿って走行する台車が自動的に回路板収納容器を持ち上げて目的地に運ぶ装置。*4) ストッカー(Stocker):回路基板の収納容器がプロセス装置に入る前後に一時的に保管される保管装置 <出願人の類型> 出願人類型を見ると、全体的に企業による出願が98.7%と高く、個人が1.0%、大学が0.2%、公共機関が0.1%を占める。大規模投資が必要な産業特性上、企業における技術開発が進められている模様である。    

2024-01-09
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先端技術優先審査、半導體に續きディスプレイに擴大

先端技術優先審査、半導体に続きディスプレイに拡大  韓国特許庁は、韓国国内における研究開発や生産が行われたディスプレイ分野における特許出願を2023年11月1日から1年間*優先審査対象に指定すると発表した。(注* :1年間の時限的施行後、延長要否を再検討する予定)  今回の措置は、2022年11月に国民経済及び国家競争力強化に重要な先端技術に係る特許出願を優先審査対象とし、具体的な対象及び申請期間を特許庁長が定めて公告する方法で改正した特許法施行令に基づくもの。  国際的にディスプレイ分野の特許紛争が激化する中、韓国企業の迅速な特許取得を支援するため、2022年の半導体に続き、ディスプレイ分野を指定することで、先端技術優先審査分野を拡大した。  具体的な対象として、ディスプレイ分野における素材・部品・装備、製造又は設計技術と直接関連*する出願で、①ディスプレイ関連製品、装置等を韓国国内で生産又は生産準備中の企業の出願、又は②ディスプレイ技術関連の国家研究開発事業における成果物に関する出願である。(注*:ディスプレイ関連技術を他分野に応用した[(例)ディスプレイ装置を含む車両など] 出願は、優先審査対象に含まない)  1年前に先行施行済みの半導体分野における優先審査(2022年11月~2023年10月)の平均審査処理期間が1.9ヶ月であることを鑑みれば、韓国国内のディスプレイ関連企業、研究開発機関などが特許審査にかかる期間* を1年以上、短縮できることが見込まれる。(注*:2022年基準でディスプレイ分野の一般審査平均処理期間は15.9ヶ月)  10月31日に終了する半導体分野出願の優先審査対象指定も1年延長される。これと併せて優先審査申請時に特許分類(CPC)が付与*されない場合が多く、(優先審査)対象であるか否かを予測することが難しい点を考慮し、従来の半導体関連の特許分類付与要件が除かれる。ディスプレイと同様、半導体における素材・部品・装備、製造または設計技術と直接関連のある出願である場合、優先審査を受けることができるようになる。(注*:特許分類付与に出願日から約1~2ヶ月を要している)

2024-01-09
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韓國におけるコンセント制度の導入

今年の初め、韓国におけるコンセント制度の導入に関する報道がなされ、関連法案が10月初旬に韓国国会を通過し、改正商標法は、2023年10月31日付けにて公布され、2024年5月1日付けにて施行予定である。本改正法には他にもいくつか注目すべき点が含まれており、以下に説明する。 1.コンセント制度 出願商標が先登録商標の引用に基づいて拒絶理由が通知されたときは、当該先登録商標の商標権者から同意書を受け、韓国特許庁(KIPO)に提出することで、当該出願商標の登録が認められる。 また、同改正法の附則において、改正法施行前に商標出願されたものであっても、同法施行後に審査官による商標登録可否決定のときから、当該規定が適用される。つまり、2024年5月1日以降は、出願日に関係なく、拒絶理由を克服するために同意書の提出が可能となる。ただし、同一商標で且つ、同一の指定商品/役務の場合、同意書は受理されない。なお、同意書に基づく登録商標の不正競争を目的とした使用により、需要者に商品の品質誤認や他人の商品との混同を引き起こす場合、当該商標登録の取消を可能とする新たな取消事由が設定される。 2.国際商標登録出願の分割 商標出願における指定商品・役務の一部について拒絶理由通知を受けた出願人が、当該一部の指定商品・役務について分割出願を行い、残りの指定商品・役務について設定登録を行うことは、ごく一般的に行われている。 これまで分割出願は、国内商標出願においてのみ利用され、国際登録出願においては、名義人の変更に伴う分割移転に限られていた。しかし、こうした制限は、改正法により削除され、韓国を指定国とする国際登録出願も分割が可能となる。 3.その他 ) 商標権者の死亡後における権利消滅 現在、商標権者の死亡日から3年以内に相続人が権利移転を登録しない場合、商標権は消滅する。改正法ではさらに、商標権の相続が開始されたときに相続人がいない場合、当該商標権は消滅する。 ) 変更出願時の優先権主張 変更出願(例:指定商品追加登録出願*から商標登録出願、商標登録出願から団体標章登録商標への変更など)の基礎となる出願に優先権主張があった場合、変更出願時に優先権主張したものとみなす。(これにより、変更出願時に別途の優先権主張を行う手間がなくなる)(*指定商品追加登録出願:登録商標または出願商標において、指定商品・役務を追加して商標登録を受けることが可能) ) 国際登録から国内登録への代替を容易に 韓国を指定国とする国際登録と国内登録商標の対象となる標章が同一で、国内登録商標との名義人が同一であり、韓国を指定国とする国際登録が、国内登録商標の登録の日より後に生じていて、国内登録商標の指定商品・役務と重なる全ての指定商品・役務に関する国際登録の出願日は、国内登録の出願日とみなされる。(これにより、国内登録商標の指定商品・役務が国際登録商標のそれに『すべて』含まれる必要はなくなる)  

2023-11-24
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優先審判および迅速審判制度の紹介

1. 優先審判 優先・迅速審判とは、審判事件受付順序に従って処理する一般審判とは異なり、緊急の処理が必要な審判事件に対して優先的に処理する制度をいう。優先審判申請がある次の各号の事件について、優先審判の必要があると認められる場合、他の事件に優先して審判することができる。 (第1号~第5号の場合には、申請ではなく審判長の職権でのみ優先審判を認めることができる) (職権) 補正却下決定に対する審判事件 (職権) 審決取消訴訟における取消事件 (職権) 審査官が無効審判を請求した事件 (職権) 従前に拒絶査定不服審判があった出願に対する取消審決後、再び請求された拒絶査定不服審判事件 (職権) 半導体など国民経済及び国家競争力に重要な先端技術として特許庁長が優先審査対象に定めた出願に対する拒絶査定不服審判 (申請) 発明の名称のみを訂正する訂正審判 (申請) 国民経済上、緊急な処理を要する事件及び軍需品など戦争遂行を要する審判 (申請) 「薬事法」第50条の2(医薬品に関する特許権登載)又は第50条の3(登録事項変更)の規定により特許目録に登載された特許権に対する審判 (申請) 特許出願日から3年6ヶ月、あるいは出願審査請求日から2年6ヶ月のうちいずれか遅い日を経過した拒絶決定不服審判事件であって、特許分類がA61K(医薬用、歯科用又は化粧用製剤)又はC07K(ペプチド)に該当する事件。ただし、A61K6(歯科用製剤)及びA61K 8(化粧品製剤)は除く。 (申請)「素材・部品・装備産業の競争力強化のための特別措置法」第13条の規定による特化先導企業1)、第14条の規定による専門企業2)、第15条の規定による強小企業3)及び創業企業4)として選定又は確認企業が当事者である権利範囲確認審判または無効審判 1) 『特化先導企業』:革新的な戦略技術に係る技術的力量と生産能力を備えた企業、あるいは成長が有望な企業として選定された企業(「素材・部品・装備産業の競争力強化のための特別措置法」第2条および第13条) 2) 『専門企業』:素材・部品または装備の開発・製造を主な業として営為する企業として確認された企業(同法第2条及び第14条) 3) 『強小企業』:中小企業の中から、ある基準で選定される企業。(参照:青年財団ブログ) 4) 『創業企業』:中小企業を創業して事業を開始した日から7年が経過していない企業(法人と個人事業者を含む)をいう。(中小企業創業支援法第2条) (申請) 特許・実用新案・意匠・商標の一括審査された出願に対する拒絶査定不服審判 (申請) 特許庁の定める第4次産業革命関連の新特許分類が付与された特許・実用新案登録出願に対する無効・権利範囲確認審判 (申請)「中小企業創業支援法」第10条第3項の規定により政府から資金を投資・出捐・補助・融資支援を受けた企業又は「一人創造企業育成に関する法律」第11条、第12条又は第15条の規定により政府から技術開発支援又はアイデアの事業化支援、金融支援を受けた一人創造企業が当事者である権利範囲確認審判又は無効審判 (申請)「特許法」第33条第1項本文の規定による無権利者の特許という理由によってのみ請求された無効審判事件 (申請)中小企業と大企業との間の権利範囲の確認審判、無効審判または取消審判。ただし、中小企業が請求した場合に限る。 (申請)規制サンドボックス*政策に関する審判事件*規制サンドボックス:新技術、新産業分野において新たな製品やサービスがリリースされた際、一定期間の間、または一定地域内において既存の規制を免除または猶予させる制度 (申請)「特許法」第164条の2、「実用新案法」第33条、「デザイン保護法」第152条の2、「商標法」第151条の2の規定により審判長が産業財産権紛争調停委員会に回付した事件であって、調停が決裂し審理が再開された審判   2. 迅速審判 迅速審判申請がある次の各号の事件について、迅速審判の必要があると認められる場合、優先審判事件より迅速に審判できる。ただし、優先審判の手続きが既に行われた事件は、優先審判規定を適用する。 (申請) 知的財産権侵害紛争で裁判所に係属中の訴訟事件(侵害差止仮処分申請を含む)、貿易委員会が通報した不公正貿易行為調査事件、警察(特別司法警察含む)又は検察で立件し捜査中である事件に関する権利範囲確認審判、無効審判、訂正審判または取消審判および権利者から警告状等を受領した当事者が請求した権利範囲確認審判、無効審判、取消審判。ただし、裁判所等における関連事件と当事者が同一でない審判は、この限りでない。 (申請) 特許法院(訳注:日本の知財高裁に相当)が、無効審判の審決取消訴訟に対する弁論を終結する前に権利者が当該訴訟対象登録権利に対して最初に請求した訂正審判又は新たな無効証拠(無効事由を含む)提出に対応して請求した訂正審判  

2023-11-07
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幹細胞技術分野の特許出願、韓國の成長率2位

幹細胞技術分野の特許出願、韓国の成長率2位 どのような細胞にも分化できる能力を持つ幹細胞*技術に対する各国の関心が高まっている。幹細胞の高い活用性と効果が現代の治療技術を一段、高めることが可能であるためで、幹細胞分野の世界市場規模は年平均で9.74%ずつ成長し、2030年には約316億ドルに達するものと予想されている**。(注*高い増殖力と自己再生能力を有しており、人体のすべての組織や臓器への分化が可能な未分化細胞、注**「幹細胞市場規模」、Grandview Research、2022.10) <国籍別特許出願動向> 韓国特許庁が主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に出願された幹細胞技術に関する特許を分析した結果、最近10年(2011年~2020年)間に幹細胞分野に関する出願は年平均4.6%ずつ増加し、2020年の特許出願は2011年に比べ50%ほど増加(826件→1,241件)していることが分かった。同期間の年平均増加率は中国(32.6%)が最も高く、韓国は10.7%で2番目に高い増加率を見せている。特に、韓国では2019年に出願が1.5倍にまで増加(141件(’18)→205件(’19))しており、幹細胞治療剤の商用化を支援するため、2019年に先端再生バイオ法を制定したことの増加要因の一つとみられている。 <出願人国籍別 特許出願動向(‘11~’20)> <主要出願人> 主要出願人としては、共同1位のANTHROGENESIS(米)とカリフォルニア大学(米)が各々1.7%(188件)で最も多く出願し、次は3位のヤンセン(ベ)1.7%(182件)、4位ハーバード大学(米)1.4%(148件)、5位の富士フイルム(日)1.3%(138件)の順であった。米企業や大学が同分野の研究を主導している模様で、韓国出願人は、12位のソウル大学(0.9%、94件)、17位のサムスン(0.7%、72件)、21位のCHA医科大学(0.6%、64件)、22位のカトリック大学(0.6%、63件)などが、多出願人として挙げられている。 <出願人の類型> この分野出願人は企業が53%で多数を占めるが、大学(29.8%)と公共(10.3%)の割合も高かった。特に韓国の場合、企業(43.8%)と大学(43.5%)の出願件数が類似していることが分かった。

2023-11-07
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善意の先使用による商標も安心して使用

善意の先使用による商標及び先使用者を保護、改正不正競争防止法施行 <事例>甲が商標の設定登録をしていない状態で商標『A』を使用し、小規模衣料販売事業を開始した。しかし、偶然にも乙が、同一‧類似の商標である『A’』を使用し、ソーシャルネットワークサービス、テレビ広告といった販促(マーケティング)活動を通じて短期間に認知度を獲得した。乙は甲を相手に不正競争行為を理由に警告状を送付し、販売差止を請求した。甲は、商標『A』を付した製品を販売し続けることは、できるか? 韓国特許庁は2023年9月29日から韓国内に広く認識された他人の商標(以下、「周知商標」)と同一・類似の商標を不正な目的でなく、先使用者が、該当商標の継続使用を可能とする内容などが盛り込まれた改正「不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律」(以下「不正競争防止法」)を施行する。(訳注;現施行済) 改正前は、先使用であっても同一・類似の他人の商標が広く認識された時点から、当該商標を使用することができなかった。従って、先使用者は、周知商標権者からの警告状により法的な対応を強いられ、最終的には、営業所における看板の交換や、生産品の廃棄せざるを得ないなど、先使用者にとって酷であるといえた。 改正不正競争防止法によれば、他人の周知商標と同一・類似する商標の先使用者は、不正な目的でない限り、当該商標を継続して使用しても不正競争行為に該当しない。 ただし「周知商標」と「先使用者の商標」が市場で共存する場合、消費者が、同一の販売者による商品であると誤認・混同するおそれがある。そのとき、これを防止するため、改正法では周知商標の保有者が先使用者に誤認・混同防止に必要な表示を請求できるようにした。しかし、今回の先使用者の保護規定は、自身の商標を他人が使用できないようにする、といった積極的な権利行使までを容認するものではない。 従って、自身の使用する商標が、積極的な権利として認めてもらうためには、韓国特許庁に他人より先に出願し、商標の設定登録を受けることが必須である。

2023-11-07
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顧客カスタマイズ型審査官面談制度

顧客カスタマイズ型審査官面談制度 特許の審査過程で行われる審査官面談は、出願発明と先行技術との間で対比説明したり、拒絶理由を明確にする必要がある等といった場合に出願人、又は代理人の申請により行われる。審査官面談申請は、審査着手後から特許登録に係る可否決定(査定)の前まで可能であることを原則とし、特許の拒絶決定(査定)された出願は、特許拒絶決定不服審判請求前まで行うことができる。韓国特許庁は、より正確な特許審査及び迅速な権利化のために、上記の一般審査官との面談の他に、特許審査の全過程にわたって出願人と審査官がコミュニケーションを密にすることで、高品質な特許を共に作成することのできる様々な形態にカスタマイズされた面談制度を施行している。 審査着手前の段階:(1)審査官の事前審査結果に基づき、意見を交換する予備審査 審査着手後の段階:(2)意見提出通知書に対する補正案を予備的に検討する補正案レビュー、(3)拒絶通知書に対する補正案を予備的に検討する再審査面談   <審査着手前の段階> 予備審査 予備審査は、審査着手前に実施され、出願人又は発明者と審査官が直接面談し、迅速かつ正確な審査と適正な権利範囲の確保に役立ち得る全ての事項を検討する。 出願人等は審査着手前に拒絶理由及び補正の方向について審査官と協議し特許決定(査定)の可能性を高め、発明の迅速な権利化が可能であり、審査官は出願人から技術内容の説明を直接聴聞することができ、より正確な審査が可能となる。  予備審査は、審査官が優先審査の決定した出願のうち、審査負担度が全特許分類の平均以上である高難度技術分野の出願又は中小企業のPCT多出願技術分野出願を対象とする。  予備審査は、優先審査決定書の発送日から14日となる日までに申請を行わなければならない。 ただし、予備審査申請前に審査官が意見提出通知書等、審査通知書を通知した場合には面談する必要がない。 *予備審査申請日から審査着手処理までの期間をいう(一般優先審査は2ヶ月、特許審査ハイウェイ(PPH)優先審査は4ヶ月、専門機関先行技術調査申請後の優先審査は8ヶ月)   <審査着手後の段階> 補正案レビュー 補正案レビューは、審査官が通知した拒絶理由に対応して、出願人が補正書を提出する前に審査官との面談を通じて補正案に対する意見を交換する。 補正案レビューでは、出願人が事前に提出した補正案に基づいて通知された拒絶理由を解消し、適正な権利範囲を確保するのに役立つことができるすべての事項を議論することができる。 補正案レビューは、審査官が拒絶理由を通知した出願のうち補正案レビュー申請をした出願を対象とする。 すでに予備審査や補正案レビューまたは再審査面談を行った出願については、補正案レビューを申請できない。 補正案レビューは、意見提出通知書による補正書提出期間の満了日から1ヶ月前になる日までに申請しなければならず、補正案レビュー申請前又は申請と同時に補正書又は補正案を記載した意見書を提出しなければならない。   再審査面談 再審査面談では、拒絶決定(査定)された出願に対する再審査請求の前に審査官との面談を通じて補正案に対する意見を交換する。 再審査面談において出願人と審査官との間で議論することができる事項は、補正案レビューと同じです。 再審査面談は、審査官が拒絶決定(査定)した出願の中で再審査面談を申請した出願を対象とする。 特許決定(査定)された出願や既に予備審査または補正案レビューを行った出願については、再審査面談を申請することはできない。 再審査面談は、拒絶決定(査定)された出願に対して再審査請求期間の満了日から30日以前となる日までに申請しなければならない。    

2023-09-13
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商標の部分拒絶および再審査請求制度の實施

商標の部分拒絶および再審査請求制度の実施 2023年2月4日から施行された韓国商標改正法*により、商標出願に対して部分拒絶制度が適用され、商標登録拒絶決定に対しては再審査請求が可能となった。(*商標法一部改正:2022年2月3日改正、2023年2月4日施行) <部分拒絶制度導入前・後比較> 部分拒絶制度とは、商標登録出願の指定商品の中で拒絶理由がある指定商品のみを拒絶する制度をいう。 従前は、商標登録出願を一体とみなし、出願人が登録を受けようとする指定商品の中で一部の指定商品にのみ拒絶理由があったとしても出願人が拒絶理由のある指定商品を削除するか、補正をしなければ全指定商品で登録を受けることができなかった。しかし、改正法では、商標登録出願における指定商品の一部にのみ拒絶理由がある場合、出願人が指定商品の削除など別途の措置を取らなくても、拒絶理由のない指定商品については商標登録を受けることができるようになった。 また、従前は、拒絶査定を受けた指定商品全体を対象としなければ不服審判請求ができなかったが、改正法では一部のみを対象として審判請求できるようにし、審判請求後も一部取下を可能にさせ出願人の利便性を向上させた。 <再審査請求制度導入前・後比較>   再審査請求とは、商標登録拒絶決定に対する拒絶理由を簡単に解消できる場合、審査官に再審査させる制度をいう。 従前は、審査官の商標登録拒絶決定に対して不服手続きを進めるために拒絶決定不服審判請求をしなければならなかったが、改正法では指定商品の一部のみを補正するなど拒絶理由を簡単に解消できる場合、審査官に再審査請求を行い、拒絶理由を克服できるようにすることで、出願人の利便性向上と拒絶決定克服の機会を拡大させた。 再審査請求は、指定商品・商標補正で拒絶理由を解消できる場合、審判請求期間(3ヶ月)以内に補正書提出とともに請求することができる。このとき拒絶決定不服審判請求は不要です。また、再審査請求された場合、従前の拒絶決定は取り消されたものとみなされ、再審査請求は取り下げることができない。

2023-09-13
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PPH 早ければ3ヶ月で韓國特許登錄

日米の登録特許、特許審査ハイウェイ(PPH)で早ければ3ヶ月内に韓国特許 韓国特許庁、日米と協力「特許審査ハイウェイ(PPH)改善策」を施行 特許審査ハイウェイ(PPH)の各審査段階における平均処理期間を3ヶ月に設定   韓国特許庁は、8月1日から日本や米国の協力の下、特許審査ハイウェイ(PPH)*申請時に各審査段階における処理期間を平均3ヶ月に設定する「特許審査ハイウェイ(PPH)改善策」 を施行する。 特許審査ハイウェイ(PPH)に基づく優先審査決定後、早ければ3カ月内の特許設定登録が可能となり、韓国企業の効果的な知的財産権の戦略樹立、及び海外市場進出に役立つものとして期待される。(注* 特許審査ハイウェイ(Patent Prosecution Highway, PPH) : ある国の特許庁(先行庁)で特許性が認められた出願については、他国の特許庁(後続庁)において簡易な手続で迅速な審査が受けることが可能な国際協力 プログラムをいう。 <「特許審査ハイウェイ(PPH)改善策」の主な内容> 従来は、特許審査ハイウェイ(PPH)に基づく優先審査を行う場合、最初の審査通知送達を4ヶ月内に管理していたが、当該期間を3ヶ月以内に縮めて管理する。また、出願人の意見書提出後、次の審査通知を行う期間も3ヶ月内に管理するよう規定が整備された。今後、韓国および日本や米国に特許審査ハイウェイ(PPH)を申請した出願人は、早ければ優先審査決定後、3カ月内に特許の設定登録も可能になるとして期待されている。

2023-09-13
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韓國特許廳、半導體特許の優先審査を實施

韓国特許庁、半導体特許の優先審査を実施   半導体技術分野の特許出願を優先審査対象に指定 2022年11月1日から1年間の一時的施行 優先審査対象は、韓国内生産または生産準備中であることなど   韓国特許庁は、半導体関連韓国企業の国際競争力を強化するため、韓国内で研究開発または生産する半導体技術分野の特許出願を優先審査対象として指定することに決定した。 半導体技術関連出願の優先審査対象は、半導体技術に直接関連する特許出願又は実用新案登録出願であり、次の(1)及び(2)の条件を全て満たす必要がある。 特許分類 半導体関連特許分類(CPC)*が主分類として付与されるもの(*半導体素子・製造など特定特許分類(CPC)は指定公告を通じて確認可能) 出願人 半導体関連製品、装置等を国内で生産又は生産準備中である企業 半導体技術関連国家研究開発事業の支援を受けた研究開発遂行機関 「国家先端戦略産業競争力強化及び保護に関する特別措置法」による半導体特性化大学(大学院) 半導体技術関連の出願に対する優先審査申請可能期間は、2022年11月1日から1年間であり、1年の時限的施行後、延長要否を判断する予定である。 今回の措置により、韓国内の半導体関連企業、研究開発機関、大学などが優先審査を利用する場合、平均2.5ヶ月で特許審査を受けることができ、従来より約10ヶ月*早く特許を得ることができることになる模様である。(*平均審査着手期間:優先審査2.5ヶ月/半導体一般審査12.7ヶ月(2021年基準))

2023-04-21
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