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一括審査制度の紹介

韓国特許庁は、従来の一方通行的な特許審査から脱却し、特許審査過程において、審査官が出願人との間でコミュニケーションをとりながら、案件毎にカスタマイズされた審査を行うことで、正確な審査に裏付けられた高い品質の特許を作り上げる様々な制度を行っている。  一つの製品群に関わる複数の知的財産出願を同時に一括して審査する一括審査制度、そして審査過程において拒絶理由通知に対応した補正案につき審査官と面談を通じて事前に意見を交換することができる補正案レビュー制度及び再審査面談制度が存在する。そのなかで補正案レビュー制度、及び再審査面談制度は、既に紹介した。予備審査制度は2024年3月1日に廃止されたが、本号では、一括審査制度について紹介する。   (1) 意義及び趣旨  一括審査とは、一つの製品群又は同一事業に係る複数の特許・実用新案登録・商標登録・デザイン登録出願について出願人が望む時期に一括して審査する制度をいう。本制度を利用すれば、企業の事業戦略に応じて、希望する時期に様々な知識財産権を同時に確保することが可能で、新製品発売時期前に製品に関する知識財産権のポートフォリオ形成に有利である。​​​​   (2) ​​一括審査を申請できる出願  一括審査の申請対象は、次の1.又は2.に該当する出願に限定され、審査着手前の2以上の特許・実用新案登録・商標登録・デザイン登録出願である。この特許出願及び実用新案登録出願は、審査請求された出願に限定する。(注:韓国では実用新案においても実体審査が行われる) 1つの製品群(サービスを含む)または同一事業に関連する以下のいずれかに該当する出願 出願人が実施している、あるいは実施準備中の出願 輸出促進に直接関わる出願 「ベンチャー企業育成に関する特別措置法」第25条におけるベンチャー企業の確認を受けた企業の出願、又は「中小企業技術革新促進法」第15条における技術革新型中小企業に選ばれた企業の出願 「一人創造企業の育成に関する法律」第11条第1項における一人創造企業技術開発事業の成果物に関する出願 「中小企業基本法」第2条における中小企業であって創業後3年以内の企業による出願 規制特例対象に関するもので「規制のサンドボックス」*申請を行った出願(*規制のサンドボックス:新技術、新産業分野において新製品やサービスをリリースする際、一定期間または一定の地域内で既存の規制を免除または猶予させる制度をいう) ​​​ 同一の国家新技術開発支援事業の成果物に係る出願   (3) ​​​​​​​​​​​​​​一括審査手順 (申請) ​​​​​​​一括審査を申請しようとする者(申請人)は韓国特許庁ホームページから一括審査請求書を作成し、一括審査申請対象証明書類を添付して申請する。 ​​​​​​​​​​​​​​この際、申請人は一括審査申請日の日後より7日から14日までのいずれかの日を一括審査説明会の開催希望日として指定しなければならず、一括審査説明会希望日から14日になる日の日後で、いずれかの日を審査着手希望日に指定しなければならず、着手希望日の日後、3月になる日から1年以内のいずれかの日を審査終了希望日に指定し申請しなければならない。 (方式審査) ​​​​​​​韓国特許庁の一括審査担当者は、一括審査を受けようとする出願が申請対象に該当するかどうか、および申請者の一括審査申請が申請手続きを満たしているかどうかについて審査する。 (一括審査説明会) ​​​​​​​申請人は、担当審査官に一括審査申請出願について説明し、当該出願が単一のファミリーまたは同一の事業に関する出願であることを説明する。 一括審査担当者と担当審査官は、一括審査を受けようとする出願について一括審査の適否、および一括審査対象出願を決定する。 一括審査担当者、担当審査官及び申請者は、着手希望日と終結希望日に基づいて着手予定日ならびに終結予定日を協議にて定めることができる。 (審査処理) ​​​​​​​担当審査官は、一括審査を決定した出願について着手予定日に合わせて審査を着手する。   ​​​​​​​

2024-07-02
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次世代ディスプレイ「マイクロLED」技術の特許動向

OLEDに続きマイクロLED分野も韓国企業が技術開発を主導  大型テレビやスマート機器など多様な分野に使用でき、次世代ディスプレイとして注目されるマイクロLED* 分野における登録特許の分析を行った結果、韓国が特許登録件数において世界トップを記録し技術開発を主導していることが判明した。  *マイクロLED:100μm以下のLED素子の一つ一つが個々の画素で直接発光するディスプレイ技術。LCDやOLEDに比べスリムにでき、LED素子の光を個別に制御して、より細かなコントラスト比を実現できる。また、有機物素材を使用したOLEDとは異なり、画質劣化や焼付き(残像)現象がなく、電力消費量を抑えて高寿命で応答速度も速い、といったメリットのためLCD、OLEDに続く次世代ディスプレイとして注目されている。   (出典: https://www.microled-info.com/microled-vs-oled) マイクロLED市場は、2022年に1400万ドルから2023年には2700万ドルに達した前年比92%に成長した後、2027年には5億8千万ドルに成長し、年平均136%の成長が見込まれる*。(* トレンドフォース、2023年8月)   韓国特許庁が主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に登録された全世界特許を分析した結果、最近10年間(2013年~2022年)のマイクロLED技術における登録件数は2013年540件から2022年1,045件と2倍近くに増加し、年平均増加率7.6%を記録した。 登録権者を国籍別に見ると、1位が韓国で23.2%(1,567件)と最も多く、2位日本20.1%(1,360件)、3位中国18.0%(1,217件)、4位米国16.0%(1,080件)、5位欧州連合11.0%(750件)の順であった。同期間における登録件数の年平均増加率は1位中国(37.5%)、2位欧州連合(10.0%)、3位台湾(9.9%)、4位韓国(4.4%)、5位米国(4.1%)の順に現れ、中国の該当分特許登録件数が急増していることが確認された。その間、技術的優位の座にあった韓国と、最近マイクロLED技術の研究開発を積極的に進める中国との間で更なる競争激化が予想される。 <登録権者の国籍別特許登録動向(2013~2022)> 主要登録人としては、LGイノテック(6.0%、404件)が1位を占め、2位サムスン電子(5.7%, 384件), 3位 日本の半導体エネルギー研究所(SEL)(4.7%, 315件), 4位 サムスンディスプレイ(3.6%、240件)、5位中国の京東方(BOE)(3.3%、223件)の順であった。韓国企業としては、1位LGイノテック、2位サムスン電子、4位サムスンディスプレイ、9位LGディスプレイ(5.8%、133件)の4社が10位圏内に入り、韓国企業がマイクロLED技術で世界をリードしていることが確認された。 <主要登録人別特許登録動向> 韓国特許庁(KIPO)2024.4.8 報道資料より

2024-07-02
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强力な技術流出防止策を盛り込んだ不正競爭防止法/特許法

この8月*から「技術強奪」防止のための強力な対応策を盛り込んだ「不正競争防止および営業秘密保護に関する法律(以下「不正競争防止法」)」及び「特許法」が導入される。改正される不正競争防止法及び特許法では、懲罰的損害賠償が5倍、法人の組織的な営業秘密流出行為に対する罰金刑が3倍にまで引き上げられる。一方で、 アイデア盗用行為といった不正競争行為に対する是正命令制度の導入など技術強奪の防止に向けた様々な対応策も盛り込まれている。(* 2024. 2. 20. 公布、2024. 8. 21. 施行予定) 改正法は、①犯罪行為に対する抑制と処罰の強化、②不法行為に対する行政的救済手段の強化及び③保護の法的な空白領域の解消を主な内容としている。 犯罪行為に対する抑制及び処罰の強化(不正競争防止法、特許法) 故意による特許権侵害、営業秘密侵害、アイデア盗用に対する懲罰的損害賠償を3倍から5倍に引き上げる。これは悪意ある技術漏洩を防ぎ、被害救済の実効性を確保するための措置である(不正競争防止法、特許法) 法人により組織的に行われる営業秘密侵害行為を防ぐため、法人の罰金刑を行為者である個人の最大3倍にまで引き上げる(不正競争防止法) 営業秘密侵害品だけでなくその製造設備までもすべて没収できる規定を新たに導入し、侵害品の流通による二次被害を事前に防ぐ(不正競争防止法) 不法行為に対する行政的救済手段の強化(不正競争防止法) 不正競争行為に対する行政救済を強化する為、アイデア盗用といった不正競争行為について韓国特許庁が、行政調査後における是正命令及び過怠料の賦課が可能となるよう根拠規定が備えられる。現在、行政調査後、是正勧告および公表のみが行われ、行政調査のみでは、不正競争行為が続く状況を抑制しにくいといった問題を克服するためである 不正競争行為の被害者がより円滑に韓国特許庁の行政調査資料を損害賠償など民事訴訟の証拠として活用できるよう、裁判所が要請する場合、調査記録の一切を裁判所に提供できる手続きが設けられ、当事者が特許庁の行政調査記録を閲覧したり、コピーすることを可能とする根拠規定も新設される。これにより、これまでは行政調査で有利な結果を得られたとしても、民事訴訟において行政調査の結果を活用できず、証拠確保に問題のあった現状を大きく改善できるものとして期待されている 保護の法的な空白領域の解消(不正競争防止法) 不正取得・使用・漏洩など伝統的な営業秘密侵害行為領域を拡大し、ハッキング等による営業秘密の毀損や削除についても不正競争防止法により処罰が可能となる。これは、最近のハッキングによる被害が増加している状況を考慮し、営業秘密に対する保護を従前より強化したものである   今回の改正法律に盛り込まれた技術強奪の防止策における主な内容  

2024-07-02
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臨時明細書制度の紹介

臨時明細書制度の紹介 1. 意義及び趣旨  臨時明細書制度とは、特許及び実用新案を出願する際に既存の明細書の書式に依らず、自由な形式で作成された明細書を提出し、迅速な出願を可能とする制度をいう。  臨時明細書制度の施行前は、特許及び実用新案を出願する際、規定で定められた書式と要件により作成された明細書を提出しなければならなかったため、論文などの研究結果から明細書を作成する際に手間がかかり、迅速な出願を行う上で手間がかかっていた。  臨時明細書制度は、明細書に請求の範囲を記載せずに出願する請求の範囲提出猶予制度*と連携し、論文や研究ノート、あるいは技術書など自由な形式による「臨時明細書」だけで、先ず出願できるようにした制度で、2020年3月30日から施行されている。(注* 請求の範囲提出猶予制度:出願時に請求の範囲が記載されていない明細書を願書に添付できる制度で、請求の範囲がなくても迅速な出願が可能であり、請求の範囲を作成する時間的な余裕を確保するために設けられた制度をいう。特許請求の範囲は、出願日から1年2ヶ月までに補正を通じて記載するようにしています。) 2. 臨時明細書提出要件  臨時明細書出願では、定められたファイル形式を備えた臨時明細書を願書に添付しなければならない。臨時明細書のファイル形式は、特許庁が提供するソフトウェア、あるいは特許庁ホームページを用いて生成した標準ファイル形式以外にも、商用のソフトウェアを用いて生成したファイル形式*であっても可能である。したがって、出願人は、論文や研究ノートなどに記載された発明を別途の変更なしに原本のまま提出することができる。(注* 提出可能なファイル形式:hwp、doc、docx、pdf、ppt、pptx、jpg、tif) 3. 臨時明細書修正書の提出  臨時明細書を願書に添付して提出する場合、当該発明について特許を受けるために定められた期間(第三者による審査請求が行われた旨の通知がなされた日から3ヶ月、または特許出願日(臨時明細書の提出日)から1年2ヶ月になる日、のいずれか早い日)内に明細書作成の書式に従って全文が補正された正式明細書を提出しなければならない。定められた期限内に補正を行わなければ期限日の翌日に当該特許出願は取下げられたものとみなされる。 4. その他  臨時明細書を添付し、提出する出願は、正規の出願として認められるために、当該出願を基にしたパリ条約による優先権を主張する出願、あるいは国内優先権を主張する出願を行うことができる。従って、補正書を提出する代わりに、出願日から1年以内に優先権を主張する新たな出願を行い、臨時明細書の提出日を出願日として認めてもらう方法も可能である。  臨時明細書を添付し、出願する場合、請求の範囲を含む全文補正された明細書を提出すれば、当該出願に対して審査請求を行うことができます。そして、全文補正された明細書を提出した出願に限り出願公開され、このとき、出願公開公報には、全文補正された明細書に最初の明細書としての地位を有する臨時明細書が添付され、公開される。

2024-04-17
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AIを活用した知能型品質管理に關する特許出願で韓國が世界1位

AIを活用した知能型品質管理に関する特許出願で韓国が世界1位 韓国が、全世界出願の25.4%を占める 大手企業(サムスン電子:2位)から中小企業まで幅広く出願 全世界の人工知能品質管理技術の特許出願は10年間で44倍に成長    韓国特許庁が最近10年間(2011年~2020年)主要国特許庁(IP5:韓、米、中、欧州連合、日)で出願された全世界特許を分析した結果、人工知能による映像分析を活用した知能型(スマート)品質管理*の技術に関する特許出願で韓国が世界1位(25.4%)を占めていたことが分かった。(*知能型(スマート)品質管理:製造業における各種検査工程に人工知能などの技術を用いて、物体の大きさ、柄(パターン)、文字、形態などを迅速・正確に判断することで製品の品質を管理する技術)  知能型(スマート)品質管理技術分野の全世界特許出願は、2011年に6件に過ぎなかったが、年平均52.3%ずつ増加し、2020年には44倍の264件に達した。特に最近5年間(2016年~2020年)の出願増加率は63.4%として現れ、同分野の出願が急増していることが分かった。これは、2016年以降、人工知能に関する技術が本格的に活用され始めたことと関連性があると捉えられている。 <国籍別特許出願動向> 出願人国籍別では、1位韓国が25.4%(202件)で最も多く出願したことが分かった。続いて2位中国18%(143件)、3位日本17.5%(139件)、4位米国17%(135件)の順であった。 <技術分野別特許出願> 技術分類別(IPC)*で見ると、画像データ処理技術(IPC:G06T)への出願が最も多かった(29.9%)。中国、日本が当該分野に関する技術を重点的に開発しており、ドイツの場合、制御システム分野(IPC:G05B)に特に研究開発を集中していることが分かった。韓国の場合、技術分野全般にわたって研究開発が行われていると見受けられる。(注*技術分類(IPC):発明の技術分野を表す国際的に統一された特許分類体系) B01D(分離技術)、B05B(噴霧装置)、B05D(流動性物質を表面に作用させるための工程一般)、B07C(郵便に関する選別)、B25J(マニピュレータ) B29C(プラスチック成形または接合)、G01N(材料の化学的または物理的性質の検出による材料の調査)、G05B(制御および調整システム)、G06F(電気によるデジタルデータ処理)、G06N(特定のコンピュータモデルに基づくコンピューティングデバイス)、G06Q(管理、商業 、財務、管理または監督目的に特に適用された情報通信技術)、G06T(画像データ処理)、G16C(コンピュータ化学)、H01L(半導体装置)、H04N(画像通信) <主要出願人> 主要出願人として、1位がアメリカのKLA(4.03%、32件)、2位がサムスン電子(3.14%、25件)、3位がドイツのシーメンス(2.39%、19) 件)、4位が韓国生産技術研究院(2.26%、18件)、5位がオランダのASML(1.76%、14件)と続く。韓国出願人では、10位のLG電子(1.26%、10件)、15位のコヨンテクノロジー(0.88%、7件)、17位のラオンピープル、及び現代自動車(各0.75%、6件)などが挙がる。韓国の場合、大企業から中小企業まで、製造業分野から解法(ソリューション)分野まで多様な分野の企業がランク入りしており、インテリジェント(スマート)品質管理における技術強国の姿を見せている。    

2024-04-17
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二次電池を特許優先審査對象に指定

二次電池、特許優先審査対象指定 迅速な権利確保を通じて二次電池分野における韓国の競争優位確保を期待 韓国特許庁は、二次電池分野の特許出願に対して2月19日から優先審査対象に指定し運営すると発表した。韓国特許庁は、国家先端技術に関する特許出願分野を優先審査対象に指定する制度を運営しており、現在、半導体、ディスプレイ分野*に続き、2月19日からは二次電池分野までの3分野に拡大して施行される。(注* 半導体分野(2022年11月1日)、ディスプレイ分野(2023年11月1日)において優先審査実施中)  二次電池は、電気自動車をはじめとする環境に優しいモビリティ産業の核心技術であり、熾烈な特許権の確保が繰り広げられている分野である。最近、5年間において、二次電池分野の特許出願は年平均11.9%と、急増*しており、これは、全分野の特許出願年平均増加率**に比べ4倍を上回るもので、同分野の研究開発が活発に行われていることが分かる。(注* 二次電池分野の特許出願数:2018年8,940件から2023年15,720件に増加(年平均増加率11.9%)、注** 総特許出願数:2018年216,224件から2023年246,056件に増加(年平均増加率2.6%))  全世界で技術覇権をめぐる競争が熾烈を極める中、韓国企業が二次電池における権利確保を迅速に行うことで、技術的な主導権確保と、権利保護に拍車をかけることが期待される。  具体的な優先審査対象は、二次電池における素材・部品・装置、製造、又は設計技術やそれに直接関連*する出願であり、①二次電池の関連製品、装置等を韓国内で生産するか、あるいは生産準備中である企業からの出願、又は②二次電池の技術に関する国家研究開発プロジェクトの成果による出願、又は③「国家先端戦略産業法」による二次電池特性化大学(大学院)からの出願である。(注* 二次電池関連技術を他分野に応用した(例:二次電池装置を含む車両等)出願は、優先審査対象としない)  優先審査を申請するためには、優先審査申請書に優先審査申請説明書を添付して提出することが求められる。申請可能期間は、2024年2月19日~2025年2月18日で、1年の期限付き施行後、延長要否を検討する予定である。

2024-04-17
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分離出願の紹介

1. 意義及び趣旨  分離出願とは、拒絶査定不服審判の請求が棄却された特許出願(以下、「原出願」という)について、審査段階での拒絶査定に含まれない請求項を分離して新たな特許出願とするもので、分離出願については分割出願と同様、出願日の遡及効が認められる(特許法第52条の2)。従来、一部の請求項に対ついてのみ拒絶査定を受けた場合、拒絶査定不服審判の請求期間内に特許登録が可能な残りの請求項を分割出願し、登録を受けることができた。しかし、当該期間が経過し、拒絶査定不服審判の段階では、一つの請求項にでも拒絶理由が認められる場合、審判請求が棄却されるため、特許可能な請求項について登録を受ける方法がなかった。こうした場合にでも、特許が可能な発明に対する特許獲得の機会を拡大させるため、拒絶査定不服審判請求の棄却後でも、拒絶査定がなされなかった請求項に対して別途の出願を行うことができる分離出願制度が導入された。分離出願制度は、2022年4月20日以後、拒絶査定不服審判が請求されたものから適用されている。 2. 分離出願の要件 主体的要件:分離出願ができる者は、特許拒絶査定時の原出願の出願人である(特許法第52条の2第1項) 時期的要件:分離出願ができるときは、原出願に対する拒絶査定不服審判請求に対する棄却審決謄本を送達された日から30日(特許法院提訴期間)(審判長が付加期間を定めた場合にはその期間)以内である(特許法第52条の2第1項、第186条第3項ないし第5項) 客体的要件:分離出願できる発明は、原出願の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された事項の範囲内である(新規事項追加禁止)(特許法第52条の2第1項)   分離出願の請求の範囲には、次に該当する請求項のみを記載することができる(特許法第52条の2第1項第1号から第4号)。 (下の①~④) ただし、分離出願には、以下のような制限がある。 請求の範囲提出猶予制度、及び外国語出願制度を活用できない(特許法第52条の2第3項) 新たな分離出願、分割出願又は変更出願の基礎になれない(特許法第52条の2第4項) 分離出願について再審査請求ができない(特許法第67条の2第1項第3号)   ◎ 専門家からのコメント 分離出願制度により拒絶査定不服審判で棄却審決されても、登録可能な請求項を分離出願して登録を受けることができるようになった。 これにより、出願人は、全請求項のうち、一部の請求項で出願発明が拒絶査定を受けた場合でも、拒絶査定不服審判を請求しつつ残りの請求項に対して分割出願をすることができ、拒絶査定不服審判が棄却審決された場合、その時に分離出願も行うことができる。 つまり、出願人は状況に応じて二つの方法のいずれかを適宜に選択すればよい。しかし、分割出願は、更なる分離出願や分割出願、再審査請求に対する制限がない一方、分離出願については、これらに対する制限が伴うため、注意が必要である。

2024-01-09
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「自動搬送システム」特許出願增加率、韓國が世界1位

上位10社中、3位にセメス、6位にサムスン電子など、韓国企業4社が布陣  韓国特許庁が半導体自動移送システム*1技術分野において最近10年(2012年~2021年)間、主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に出願された全世界特許を分析した結果、2012年に117件であった出願件数が10年間で、年平均10.2%増加し、2021年には281件に達していることが分かった。半導体自動搬送システムの市場規模*2は2022年には24.7億ドルから毎年6.1%ずつ成長し、2028年には35.2億ドルに達すると予測される。*1)半導体自動搬送システム(AMHS、Automated Material Handling System)とは、半導体製造ラインで回路板を積載した回路板収納容器(FOUP、Front Opening Unified Pod)を自動搬送するためのシステム全体を意味し、ほこりや振動を最小限に減らしながら、できるだけ迅速に回路板収納容器を移送し、ボトルネックとならないよう適時に回路板が工程装置に移送されるよう制御することがその核心技術となる。*2) Industry Research, “AMHS for Semiconductor Market Insights and Overview [2023-2029]”, 2023.8. <国籍別特許出願動向>  出願人の国籍別に出願件数の増加率を見ると、韓国は年平均32.1%と世界で最も多く、台湾が年平均17.3%で2位を占め、次に日本(6.2%)、中国(6.2%)の順であった。同期間の出願件数を見ると、1位の日本が1,238件(67.7%)で最も多くの出願を行っており、2位の韓国398件(21.8%)、3位の台湾88件(4.8%)、4位の中国46件( 2.5%)、5位の米国44件(2.4%)の順に続いている。 <出願人国籍別特許出願動向(’12~’21)> <技術分野別特許出願> 技術分野別では半導体自動搬送システムの中で天井移送装置*3(1,103件、60.3%)とストッカー*4(587件、32.1%)に対する出願が、全体出願の92.4%でほぼ大部分を占めていることが分かった。年平均増加率は天井移送装置は21.1%であるのに対し、ストッカーは-9.3%で、天井移送装置関連出願が急増していることが分かった。*3) 天井移送装置(OHT、Overhead Hoist Transport):半導体工場の天井に付された軌道に沿って走行する台車が自動的に回路板収納容器を持ち上げて目的地に運ぶ装置。*4) ストッカー(Stocker):回路基板の収納容器がプロセス装置に入る前後に一時的に保管される保管装置 <出願人の類型> 出願人類型を見ると、全体的に企業による出願が98.7%と高く、個人が1.0%、大学が0.2%、公共機関が0.1%を占める。大規模投資が必要な産業特性上、企業における技術開発が進められている模様である。    

2024-01-09
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先端技術優先審査、半導體に續きディスプレイに擴大

先端技術優先審査、半導体に続きディスプレイに拡大  韓国特許庁は、韓国国内における研究開発や生産が行われたディスプレイ分野における特許出願を2023年11月1日から1年間*優先審査対象に指定すると発表した。(注* :1年間の時限的施行後、延長要否を再検討する予定)  今回の措置は、2022年11月に国民経済及び国家競争力強化に重要な先端技術に係る特許出願を優先審査対象とし、具体的な対象及び申請期間を特許庁長が定めて公告する方法で改正した特許法施行令に基づくもの。  国際的にディスプレイ分野の特許紛争が激化する中、韓国企業の迅速な特許取得を支援するため、2022年の半導体に続き、ディスプレイ分野を指定することで、先端技術優先審査分野を拡大した。  具体的な対象として、ディスプレイ分野における素材・部品・装備、製造又は設計技術と直接関連*する出願で、①ディスプレイ関連製品、装置等を韓国国内で生産又は生産準備中の企業の出願、又は②ディスプレイ技術関連の国家研究開発事業における成果物に関する出願である。(注*:ディスプレイ関連技術を他分野に応用した[(例)ディスプレイ装置を含む車両など] 出願は、優先審査対象に含まない)  1年前に先行施行済みの半導体分野における優先審査(2022年11月~2023年10月)の平均審査処理期間が1.9ヶ月であることを鑑みれば、韓国国内のディスプレイ関連企業、研究開発機関などが特許審査にかかる期間* を1年以上、短縮できることが見込まれる。(注*:2022年基準でディスプレイ分野の一般審査平均処理期間は15.9ヶ月)  10月31日に終了する半導体分野出願の優先審査対象指定も1年延長される。これと併せて優先審査申請時に特許分類(CPC)が付与*されない場合が多く、(優先審査)対象であるか否かを予測することが難しい点を考慮し、従来の半導体関連の特許分類付与要件が除かれる。ディスプレイと同様、半導体における素材・部品・装備、製造または設計技術と直接関連のある出願である場合、優先審査を受けることができるようになる。(注*:特許分類付与に出願日から約1~2ヶ月を要している)

2024-01-09
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韓國におけるコンセント制度の導入

今年の初め、韓国におけるコンセント制度の導入に関する報道がなされ、関連法案が10月初旬に韓国国会を通過し、改正商標法は、2023年10月31日付けにて公布され、2024年5月1日付けにて施行予定である。本改正法には他にもいくつか注目すべき点が含まれており、以下に説明する。 1.コンセント制度 出願商標が先登録商標の引用に基づいて拒絶理由が通知されたときは、当該先登録商標の商標権者から同意書を受け、韓国特許庁(KIPO)に提出することで、当該出願商標の登録が認められる。 また、同改正法の附則において、改正法施行前に商標出願されたものであっても、同法施行後に審査官による商標登録可否決定のときから、当該規定が適用される。つまり、2024年5月1日以降は、出願日に関係なく、拒絶理由を克服するために同意書の提出が可能となる。ただし、同一商標で且つ、同一の指定商品/役務の場合、同意書は受理されない。なお、同意書に基づく登録商標の不正競争を目的とした使用により、需要者に商品の品質誤認や他人の商品との混同を引き起こす場合、当該商標登録の取消を可能とする新たな取消事由が設定される。 2.国際商標登録出願の分割 商標出願における指定商品・役務の一部について拒絶理由通知を受けた出願人が、当該一部の指定商品・役務について分割出願を行い、残りの指定商品・役務について設定登録を行うことは、ごく一般的に行われている。 これまで分割出願は、国内商標出願においてのみ利用され、国際登録出願においては、名義人の変更に伴う分割移転に限られていた。しかし、こうした制限は、改正法により削除され、韓国を指定国とする国際登録出願も分割が可能となる。 3.その他 ) 商標権者の死亡後における権利消滅 現在、商標権者の死亡日から3年以内に相続人が権利移転を登録しない場合、商標権は消滅する。改正法ではさらに、商標権の相続が開始されたときに相続人がいない場合、当該商標権は消滅する。 ) 変更出願時の優先権主張 変更出願(例:指定商品追加登録出願*から商標登録出願、商標登録出願から団体標章登録商標への変更など)の基礎となる出願に優先権主張があった場合、変更出願時に優先権主張したものとみなす。(これにより、変更出願時に別途の優先権主張を行う手間がなくなる)(*指定商品追加登録出願:登録商標または出願商標において、指定商品・役務を追加して商標登録を受けることが可能) ) 国際登録から国内登録への代替を容易に 韓国を指定国とする国際登録と国内登録商標の対象となる標章が同一で、国内登録商標との名義人が同一であり、韓国を指定国とする国際登録が、国内登録商標の登録の日より後に生じていて、国内登録商標の指定商品・役務と重なる全ての指定商品・役務に関する国際登録の出願日は、国内登録の出願日とみなされる。(これにより、国内登録商標の指定商品・役務が国際登録商標のそれに『すべて』含まれる必要はなくなる)  

2023-11-24
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優先審判および迅速審判制度の紹介

1. 優先審判 優先・迅速審判とは、審判事件受付順序に従って処理する一般審判とは異なり、緊急の処理が必要な審判事件に対して優先的に処理する制度をいう。優先審判申請がある次の各号の事件について、優先審判の必要があると認められる場合、他の事件に優先して審判することができる。 (第1号~第5号の場合には、申請ではなく審判長の職権でのみ優先審判を認めることができる) (職権) 補正却下決定に対する審判事件 (職権) 審決取消訴訟における取消事件 (職権) 審査官が無効審判を請求した事件 (職権) 従前に拒絶査定不服審判があった出願に対する取消審決後、再び請求された拒絶査定不服審判事件 (職権) 半導体など国民経済及び国家競争力に重要な先端技術として特許庁長が優先審査対象に定めた出願に対する拒絶査定不服審判 (申請) 発明の名称のみを訂正する訂正審判 (申請) 国民経済上、緊急な処理を要する事件及び軍需品など戦争遂行を要する審判 (申請) 「薬事法」第50条の2(医薬品に関する特許権登載)又は第50条の3(登録事項変更)の規定により特許目録に登載された特許権に対する審判 (申請) 特許出願日から3年6ヶ月、あるいは出願審査請求日から2年6ヶ月のうちいずれか遅い日を経過した拒絶決定不服審判事件であって、特許分類がA61K(医薬用、歯科用又は化粧用製剤)又はC07K(ペプチド)に該当する事件。ただし、A61K6(歯科用製剤)及びA61K 8(化粧品製剤)は除く。 (申請)「素材・部品・装備産業の競争力強化のための特別措置法」第13条の規定による特化先導企業1)、第14条の規定による専門企業2)、第15条の規定による強小企業3)及び創業企業4)として選定又は確認企業が当事者である権利範囲確認審判または無効審判 1) 『特化先導企業』:革新的な戦略技術に係る技術的力量と生産能力を備えた企業、あるいは成長が有望な企業として選定された企業(「素材・部品・装備産業の競争力強化のための特別措置法」第2条および第13条) 2) 『専門企業』:素材・部品または装備の開発・製造を主な業として営為する企業として確認された企業(同法第2条及び第14条) 3) 『強小企業』:中小企業の中から、ある基準で選定される企業。(参照:青年財団ブログ) 4) 『創業企業』:中小企業を創業して事業を開始した日から7年が経過していない企業(法人と個人事業者を含む)をいう。(中小企業創業支援法第2条) (申請) 特許・実用新案・意匠・商標の一括審査された出願に対する拒絶査定不服審判 (申請) 特許庁の定める第4次産業革命関連の新特許分類が付与された特許・実用新案登録出願に対する無効・権利範囲確認審判 (申請)「中小企業創業支援法」第10条第3項の規定により政府から資金を投資・出捐・補助・融資支援を受けた企業又は「一人創造企業育成に関する法律」第11条、第12条又は第15条の規定により政府から技術開発支援又はアイデアの事業化支援、金融支援を受けた一人創造企業が当事者である権利範囲確認審判又は無効審判 (申請)「特許法」第33条第1項本文の規定による無権利者の特許という理由によってのみ請求された無効審判事件 (申請)中小企業と大企業との間の権利範囲の確認審判、無効審判または取消審判。ただし、中小企業が請求した場合に限る。 (申請)規制サンドボックス*政策に関する審判事件*規制サンドボックス:新技術、新産業分野において新たな製品やサービスがリリースされた際、一定期間の間、または一定地域内において既存の規制を免除または猶予させる制度 (申請)「特許法」第164条の2、「実用新案法」第33条、「デザイン保護法」第152条の2、「商標法」第151条の2の規定により審判長が産業財産権紛争調停委員会に回付した事件であって、調停が決裂し審理が再開された審判   2. 迅速審判 迅速審判申請がある次の各号の事件について、迅速審判の必要があると認められる場合、優先審判事件より迅速に審判できる。ただし、優先審判の手続きが既に行われた事件は、優先審判規定を適用する。 (申請) 知的財産権侵害紛争で裁判所に係属中の訴訟事件(侵害差止仮処分申請を含む)、貿易委員会が通報した不公正貿易行為調査事件、警察(特別司法警察含む)又は検察で立件し捜査中である事件に関する権利範囲確認審判、無効審判、訂正審判または取消審判および権利者から警告状等を受領した当事者が請求した権利範囲確認審判、無効審判、取消審判。ただし、裁判所等における関連事件と当事者が同一でない審判は、この限りでない。 (申請) 特許法院(訳注:日本の知財高裁に相当)が、無効審判の審決取消訴訟に対する弁論を終結する前に権利者が当該訴訟対象登録権利に対して最初に請求した訂正審判又は新たな無効証拠(無効事由を含む)提出に対応して請求した訂正審判  

2023-11-07
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幹細胞技術分野の特許出願、韓國の成長率2位

幹細胞技術分野の特許出願、韓国の成長率2位 どのような細胞にも分化できる能力を持つ幹細胞*技術に対する各国の関心が高まっている。幹細胞の高い活用性と効果が現代の治療技術を一段、高めることが可能であるためで、幹細胞分野の世界市場規模は年平均で9.74%ずつ成長し、2030年には約316億ドルに達するものと予想されている**。(注*高い増殖力と自己再生能力を有しており、人体のすべての組織や臓器への分化が可能な未分化細胞、注**「幹細胞市場規模」、Grandview Research、2022.10) <国籍別特許出願動向> 韓国特許庁が主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に出願された幹細胞技術に関する特許を分析した結果、最近10年(2011年~2020年)間に幹細胞分野に関する出願は年平均4.6%ずつ増加し、2020年の特許出願は2011年に比べ50%ほど増加(826件→1,241件)していることが分かった。同期間の年平均増加率は中国(32.6%)が最も高く、韓国は10.7%で2番目に高い増加率を見せている。特に、韓国では2019年に出願が1.5倍にまで増加(141件(’18)→205件(’19))しており、幹細胞治療剤の商用化を支援するため、2019年に先端再生バイオ法を制定したことの増加要因の一つとみられている。 <出願人国籍別 特許出願動向(‘11~’20)> <主要出願人> 主要出願人としては、共同1位のANTHROGENESIS(米)とカリフォルニア大学(米)が各々1.7%(188件)で最も多く出願し、次は3位のヤンセン(ベ)1.7%(182件)、4位ハーバード大学(米)1.4%(148件)、5位の富士フイルム(日)1.3%(138件)の順であった。米企業や大学が同分野の研究を主導している模様で、韓国出願人は、12位のソウル大学(0.9%、94件)、17位のサムスン(0.7%、72件)、21位のCHA医科大学(0.6%、64件)、22位のカトリック大学(0.6%、63件)などが、多出願人として挙げられている。 <出願人の類型> この分野出願人は企業が53%で多数を占めるが、大学(29.8%)と公共(10.3%)の割合も高かった。特に韓国の場合、企業(43.8%)と大学(43.5%)の出願件数が類似していることが分かった。

2023-11-07
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