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IPニュース 次世代ディスプレイ「マイクロLED」技術の特許動向

OLEDに続きマイクロLED分野も韓国企業が技術開発を主導

 大型テレビやスマート機器など多様な分野に使用でき、次世代ディスプレイとして注目されるマイクロLED* 分野における登録特許の分析を行った結果、韓国が特許登録件数において世界トップを記録し技術開発を主導していることが判明した。

 *マイクロLED:100μm以下のLED素子の一つ一つが個々の画素で直接発光するディスプレイ技術。LCDやOLEDに比べスリムにでき、LED素子の光を個別に制御して、より細かなコントラスト比を実現できる。また、有機物素材を使用したOLEDとは異なり、画質劣化や焼付き(残像)現象がなく、電力消費量を抑えて高寿命で応答速度も速い、といったメリットのためLCD、OLEDに続く次世代ディスプレイとして注目されている。 

 (出典: https://www.microled-info.com/microled-vs-oled)

マイクロLED市場は、2022年に1400万ドルから2023年には2700万ドルに達した前年比92%に成長した後、2027年には5億8千万ドルに成長し、年平均136%の成長が見込まれる*。(* トレンドフォース、2023年8月) 

 韓国特許庁が主要国特許庁(IP5:韓国、米国、中国、欧州連合、日本)に登録された全世界特許を分析した結果、最近10年間(2013年~2022年)のマイクロLED技術における登録件数は2013年540件から2022年1,045件と2倍近くに増加し、年平均増加率7.6%を記録した。 登録権者を国籍別に見ると、1位が韓国で23.2%(1,567件)と最も多く、2位日本20.1%(1,360件)、3位中国18.0%(1,217件)、4位米国16.0%(1,080件)、5位欧州連合11.0%(750件)の順であった。同期間における登録件数の年平均増加率は1位中国(37.5%)、2位欧州連合(10.0%)、3位台湾(9.9%)、4位韓国(4.4%)、5位米国(4.1%)の順に現れ、中国の該当分特許登録件数が急増していることが確認された。その間、技術的優位の座にあった韓国と、最近マイクロLED技術の研究開発を積極的に進める中国との間で更なる競争激化が予想される。

<登録権者の国籍別特許登録動向(2013~2022)>

主要登録人としては、LGイノテック(6.0%、404件)が1位を占め、2位サムスン電子(5.7%, 384件), 3位 日本の半導体エネルギー研究所(SEL)(4.7%, 315件), 4位 サムスンディスプレイ(3.6%、240件)、5位中国の京東方(BOE)(3.3%、223件)の順であった。韓国企業としては、1位LGイノテック、2位サムスン電子、4位サムスンディスプレイ、9位LGディスプレイ(5.8%、133件)の4社が10位圏内に入り、韓国企業がマイクロLED技術で世界をリードしていることが確認された。

<主要登録人別特許登録動向>

韓国特許庁(KIPO2024.4.8 報道資料より

2024-07-02 13:06:00

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